計画を提示しない人
仕事は一人だけで完結することは稀です。
他者と協働することで成り立っているのに計画や予定を提示しない人がいます。
その人のアウトプットを待っている時は、こちらの予定が立てられないからすごく困る時があります。
相手の時間を奪っていることに気が付ていないのでしょうね。
そもそも、なぜ計画を提示しないのでしょう?
もしかしたら計画を立てられないのかもしれませんね。
そうであれば、このような人は指示待ちの人が多いのも納得できます。
仕事の全体像を把握しないで、①目的の理解は曖昧、②ゴール(アウトプット)も曖昧
だから、いつ迄に何をやらなければいけないかがわかっていない、気にしていない。
新入社員やアウトソースの人ならともかく、中堅社員と言われている人がこれでは…。
人手不足の世の中で複数の仕事を抱えているのは当たり前なのに、こんな人と一緒に仕事をやっていると優先順位が決めらないから他の仕事にも影響が出てきます。
このような人に出くわしたら、その仕事は最低の優先度でやるしかないです。
でも、その仕事の優先度が高い場合は、その人抜きで進めるしかありません。
幸いなことに、その人抜きでもほとんどの場合は支障なく進めることができるでしょう。
細かい指示や状況確認をしないで済むのでかえって効率が上がったりするかもしれません。
このような人は会社という組織の中にいつまでいられるのでしょう?
・こんな感じで仕事に取り組んでほしい
①その仕事の目的と全体像を把握・理解する
②その仕事のゴール(アウトプット)を明確にする
③ゴールまでのアウトラインを作る
④アウトラインの中で自分がやるべきことをピックアップして具体化する
⑤以上のことを計画としてまとめる
⑥作成した計画は関係者と共有して内容や日程を確認しあいながら進める
⑦内容や日程の変更が生じたら都度修正する
リスケしないでダラダラ進めるのは計画がないのと同じで最悪。
①と②は仕事の基本だけど、③と④はやっている(できている)人は以外に少ないです。
ゴールまでの道のりを考えて実行すると成功率が確実にあがるので是非やってみて下さい。スタート時は大まかでOK、走りながら考えて修正しながら進めるのがコツです。
最初から厳密なことを考えるといつまでたってもスタートできないし、計画自体が途中で変わることだってあり得ます。PDCAサイクルを回す感じで進めればOK。
⑥と⑦はITの発達でグループウェアなど便利なツールがあるので意識を変えるだけでコスト(手間)をかけなくても簡単にできると思います。
お互いの待ち時間などのムダが少なくなって劇的に効率がよくなります。
・まとめ
計画を提示しない人は、仲間の時間を奪っている。
当たりばったりの状態になるのでいつまでたっても成果が上がらない。
チーム全体にも影響がでてくるので、その人には声がかからなくなる。
今は大企業でもできない人を雇っていけるほどの余裕はない。
よほど世渡りが上手くなければ会社では生き残れないと思います。
こんな感じで仕事に取り組んでほしい
①その仕事の目的と全体像を把握・理解する
上位目的まで理解する意識があると指示待ちな人にならない。
②その仕事のゴール(アウトプット)を明確にする
③ゴールまでのアウトラインを作る
④アウトラインの中で自分がやるべきことをピックアップして具体化する
⑤以上のことを計画としてまとめる
⑥作成した計画は関係者と共有して内容や日程を確認しあいながら進める
⑦内容や日程の変更が生じたら都度修正する
リスケしないでダラダラ進めるのは計画がないのと同じで最悪です。
途中で投げ出す人
何かを最後までやりきるのはなかなか困難なことです。
でも、信頼を得るには途中で投げ出さないで最後までやりきることが大切です。
些細なことでも途中で投げ出したら絶対に信頼はされません。
投げ出す人はやっぱり言い訳が多い。
”だって経験がないから”、”私には難しすぎるから”、・・・
このように相手に返せば難しいことや面倒なことはやらなくて済むから、無意識に言い訳がましいことを言ってしまうのだろう。
こんな人は信頼を得る前に成長のチャンスさえも失ってしまっている。
また、できないことを相手のせいにしてしまうのも特徴の一つ。
自分の意見などが否定された時に、「あの人は自分のことを理解していない」、「あの人は全然わかっていない」などと言っていることが多いけど、「わかっていないのはあなたです」と逆に言ってあげたい。
相手は「あなたのことを理解していない」のではなくて、単に「信頼していない」だけです。
このような残念な人、あなたの周りにもいませんか。
投げ出さずに一生懸命にやる人には、
周囲のベテランが「こうすればいいよ」など、手を差し伸べてくれる。
経験がなくても、やり方が分からなくても、自分なりになんとかしようと頑張る。
その投げ出さない姿勢は、周囲の人から大きな信用を得ていく。
仕事をもらうのも、課題を出されるのも、チャンスをもらえるのも、場を提供してもらうのも、何もかも、相手から大事なものを受け取ったと考える。
そのような考えができる人は、簡単に投げ出すようなことはしません。
そんな「投げ出さない性格」の人は、ものすごく成長の可能性を秘めていて、たくさんの人に愛され信頼されるようになるはずです。
”〇〇だからできない”という言葉を使わないように意識するだけで行動が変わり考え方も変わっていきます。
”××するにはどうすればよいか”と考えて行動に移す。
それを繰り返して最後までやりきる。絶対に途中で投げ出さない。
最後までやりきることはすごく大変なこと。
だから、やりきることができれば必ず信頼される。
ルーチンワークな人
仕事をルーチンワーク化して効率的に行うようにすることは重要ですが、そのルーチンワークを仕事だと思っている人はとても残念です。
すべて経験だけに頼っている。決められた形式内でものごと判断するので考える必要がありません。だから、とても楽です。
そこそこのスピードで作業をこなせるので、”できる人”のように見えるから、周りの人からも指摘を受けることが少ないです、そのため成長する機会もないからたちが悪いと言ってよいでしょう。
仕事をやっているように見えても、何年たってもやっていることは同じままです。
何か不具合が発生したとき、原因を見極めて(真因を突き止めて)対策を行い、水平展開を行いますが、このような人は、①原因の見極めができない、②水平展開ができない
ので対策は表面的なもので終わり水平展開も正しくできません。
過去の事例などの”ものマネ”で対策したつもりになっっています。
”マネる”こと自体は悪いことではありませんが、意味を理解したうえで自分が抱えている課題に有効かどうか確認して不足があればさらに工夫を加えることをしないといけないです。
水平展開では、原因を追究していく過程で問題を抽象化して一般解を導くようにすることです。
原因の追究で掘り下げが浅いと抽象化できず本当の意味で水平展開ができません。
例えば、”作業で使用しているピンセットが乱雑に放置されていて汚れている”ことを
指摘された場合、
①ピンセットの置き場所を決める
②先端の形状や汚れを1回/日の頻度で確認する
③他の場所でピンセットを使用している作業についても同様な対策を行う
みたいにやってしまい対策になっていないことが起こる。
・ルーチンワークは作業、本当にやるべき仕事はルーチンワーク化して作業効率を上げること
まずは、”問題は何か”を整理して理解することが必要。
何を問題にするかでその先が変わってきます。たいていの人はこれを雑にしてしまうから上手くいかないことが多いです。
①”乱雑に放置されている”については、作業効率が悪くなる。
②”汚れている”については、ピンセットの汚れが製品に付着する。
乱雑に置かれているように見えても実際はその方が作業効率が良いのかもしれません。
下手に置き場所を固定するとかえって作業がやりにくくなるかもしれないが
作業効率が悪くなるを問題にすれば、ピンセットを他の用具に変更するとかピンセットを使用しない作業方法にするとかの改善も考えられます。
ルーチンワークで処理する人は、”乱雑に放置されているから汚れる”と考えるから作業効率に関してはお構いなしで置き場所を決めてやればすべて解決すると思うのかもしれない。
そもそもなぜピンセットが汚れるのかを考えないといけない。汚れるメカニズムを確認するということ。
作業周辺が汚いのか、汚れた製品が流れてきてピンセットが汚れるのかなど原因はいろいろ考えられます。
根本的なところから確認して対策しないと対策の意味がありません。
仮に作業周辺が汚いとしたら、水平展開もピンセットの使用に関係なく対策を展開する必要が出てきます。
原因を深堀りして一般解を導き水平展開をすれば似たような問題はその時に対策できてしまいます。
それをやらないから次から次に問題が繰り返されるということに気が付いていないのが、とても残念です。
・まとめ
ルーチンワークな人の仕事
ルーチンワークが仕事だと思っているけど、それって作業だよ。
それだけやっているのであればアルバイトでもいいよね。
ルーチンワークを何年やっても成長しないよ。
本当の仕事は
ルーチンワーク化されていない作業をルーチンワーク化すること。
ルーチンワークの中に潜むムダや不具合を問題にして課題に落とし込むこと。
課題の対策は、一般解に昇華させて水平展開を行う。
このようにすれば100倍速で作業の改善が進んでモグラたたきゲームから解放される。
報告ができない人
報告ができない人
報告はすればいいというものではありません。
内容はもちろん重要ですが、報告するタイミングがもっと重要です。
良い結果の報告であってもタイミングが遅いと相手からは信頼されません。
結論を最初に、事実と推定(自分の考え)は区別して・・・、とかはとても大切なことでですが、
自分の仕事が終わるのを待っている人にとっては、”何時終わるのか”とか”遅れはないのか”などはとても気になることです。
自分が待っている立場だとして考えればすぐにわかると思います。
例えば何かのトラブル対応をしている時、トラブルが解決するのを待っている人は、今どんな状態なのかについて彼の上司などに報告しなければいけないかもしれません。
早々に解決する目途が立っているのであればそのように連絡したいだろうし、時間がかかるのであればそれなりの対応をしなければならないでしょう。
単にトラブルを解決すればよい、という問題ではないことがわかると思います。
何が重要であるかは,場面によって,人によって,立場によって全く異なるが、そこまで分かって仕事をしているかどうかが、信頼されるかされないかの分かれ目だと思います。
全く報告なしで黙って作業して3時間で解決するよりも、30分とか1時間ごとに、ちゃんと報告ができて5時間で解決する方が相手にとっては親切だと思います。
このように言っている私も若いころは、これができていませんでした。
トラブルの対応に集中している時は、それに没頭してしまい、相手が話し掛けることさえ遠慮するような態度で仕事を行っていました。
でも、誰かに言われたわけではありませんが、ある時にそれではプロ失格だと気が付きました。
プロであれば最初に作業量を見積って進捗状況を報告することで相手に安心してもらう配慮ができないといけない。
仮に自分が何かを購入する場合を考えてみると、最初に値段がわからなかったり、納期がわからなかったりしたら絶対にその店からは買わないでしょう。また、最初に提示された納期が遅れても事前に何も連絡がなければその店は信用できないからリピートはしないと思います。
誰かが注意してくれていればもっと早く気が付けたかもしれない。。。
自分のことを待っている人、今自分がやっている仕事が終るのを待っている人がいる場合、一見意味がないような連絡や報告を欠かさないことが重要です。
是非、身に付けたい基本的な行動パターンでだと思います。
自分の頭で考えない人
自分の頭で考えない人
「自分の頭で考えない人」、周りにいませんか?
俗にいう「指示待ちの人」も当てはまると思います。
指示待ちの人は、指示された仕事の意味や目的を自分で考えていないから”指示されたこと”しかやりません。
相手が何を期待しているか考えない。
単に与えられた作業をやっているだけ。
下手をするとアルバイトやパートの人から指示されてたりします。
これでは、何年たっても成長しません。
それでいて、”給料が安い”なんて言っているのだから手に負えないです。
「自分の頭で考える」とは
”自分の頭で考える”人は常に疑問を持っています。
自分の頭で考える=「疑問を持てる」&「疑問を解決できる」
自分の頭で考える人は、仕事を自分で進められるということです。
単に自分勝手に仕事を進めるということではなく、仕事の目的をしっかり理解してそれを達成するための最善のやり方で進めるということ。
要するに”仕事ができる”と評される人だということです。
”自分の頭で考える”人は、適切な解を導き出す力があります。
仕事を進めていく過程では、さまざまな難題にぶち当たります。
それは単純に解決できるようなものではなく、気の遠くなるような調整作業や前提を組み替えまくることにより、少しずつ少しずつ前に進めなければならないことが多いものです。
普通の人は、「こんなのオレにはどうしようもないや」と投げ出し、誰かに責任転嫁したり、逃げたりします。
「すぐあきらめる」というのは、思考体力がない人(考えない人)の特徴のひとつ。
「自分の頭で考える」人は、そんなことはしません。
わからなくなった時点で、過去の議論を見直し、整理し、知見がある人に聞き、いったいどこがポイントなのか明確に理解しようとします。
どこがボトルネックなのか明確化した後は、それを解決するために全力を尽くします。
日々の仕事の中で、上司から難しい仕事を振られるなどして、粘り強く解を出していく力は鍛えらるが、「疑問を持つこと」は実は難しいものです。
いちいち疑問を持たなくても仕事は進むし、疑問を持つこと(=考えること)は疲れます。
下手な聞き方をしたら、上司や同僚から不評を買うかもしれない。
しかし、本当の意味で考える仕事をしたいのであれば、「疑問を持つ」ということがファーストステップになります。
自分の仕事の目的が何なのか、一番良いやり方なのか。まずは、これらの疑問を持つように心掛けたいものです。
質問が下手な人
質問が下手な人
何のために何を知りたいのかサッパリわからない。
逆に、何のために(目的)を聞いてもまともに答えられない。
目的を意識して仕事をやっていないとしか思えない。
自分で考えるべきことを聞いてくる。
考えることを放棄している。考えないことが癖になっているのだろう。
このような人は自分の仕事にも当事者意識がなくて人任せ。
このような人は往々にして相手に対して配慮が足りない。と言うより全く気にしていない。
相手の時間を奪っていることに気が付いていないのだろう。
一緒に仕事をすることは絶対に避けたい。近づきたくない。。。
こんな人なら一緒に仕事したい
相手の都合に配慮する人。
少しだけお時間をいただけますか。の一言で相手も話を聞く準備が出来て印象も良くなります。
次のことをしっかり意識して質問をする人なら応援したくなります。
(1)自分の仕事の目的をしっかり理解する
(2)疑問を持つ
(3)その疑問を解決しようとする
この過程をしっかりやることが”考える”ということです。
解決策は複数あることが普通ですが、考えることで制約条件も明確になり、複数解もかなり絞り込まれます。絞り込まれた複数解から目的に合った最適解を選択すればいいだけです。
考えることができていれば必然的に上質な質問もできるようになり、相手をイラつかせることもなくなると思います。
ここまでやれば誰からも当事者意識があると認めてもらえます。
誰からも、時間なんて惜しまないで協力したいと思ってもらえます。
まとめ
質問が下手な人の特徴
①目的を意識していない
②自分の頭で考えることを放棄している
③相手の都合を気にしない
④その結果、当事者意識が低いと評価される
こんな人になってもらいたい
①解決すべき問題(課題)の目的を理解する
②当たり前のことでも疑問を持って、”なぜそうなのか”考える
③相手の都合を気にしながら質問して、回答をもらったら感謝する気持ちを伝える
今回はマインド的な部分をピックアップしたが、具体的な事例や関連している
コミュニケーションスキルなどを別の機会に取り上げてさらに深堀していきたいと思います。
問題への感度を高めよう
問題への感度を高めよう!
・問題とは何か
「問題」はあるのではない。
誰かが「問題にする」ことによって、初めて「問題になる」ものです。
だから、皆が大騒ぎして「問題になる」からといって、「問題にする」に値いしないこともあります。
逆に、自分たちのミスを見ないふりし、なかったことにすることで、「問題にしない」ことはできかるかもしれませんが、クレームがそうであるように、自分は問題にしたくなくても、顧客の方が「問題にする」ことで、「問題になる」こともあります。
だから、「問題になる」前に「問題にする」ことが必要になるわけです。
例えば、
「疑問」を「問題にする」(問題にできる)役割意識の主体性
「不安」を「問題にする」(問題にできる)責任感
「不足」を「問題にする」(問題にできる)顧客意識(カスタマーマインド)の先取り
「不満」を「問題にする」(問題にできる)
「理想」を「問題にする」(問題にできる)目的意識・方向意識の視線
「願望」を「問題にする」(問題にできる)感性
等々。これが「問題意識」です。
しかし、考えてみれば、こうして「問題にする」「問題」とは、自分の側に「~したい」「~あるべき」との思いがなければ存在しないわけです。
~を実現したい、~をしたい、~しなくてはならない、~すべきだ、等々という思いがあるからこそ、現状を「問題」にすることができるということです。
だから、前提として、目的意識や自分自身のやるべきテーマ、果たさなくてはならない使命・役割等々がなくては話になりません。
問題の感度や深度は、指向性(何について)があって初めて研ぎ澄まされます。
目的意識のないところでは、感度もセンスもアンテナも働かせようがありません。
どうすれば問題への感度を高められるか
扇谷正造氏は,問題意識を
①「空気にツメをたてろ!」
②原点に立ち返って問題を洗い直す
③煮詰めてモノをいろいろな角度から考える
と、されました。
「空気にツメをたてろ!」とは、あえて波風のないところに、波風を立てることと言ってもいいです。
「意識的に問題にすること」とは、この意味である。
「原点に立ち返って」とは、何のために(目的)、何をする(目標)ためなのかを洗い直せということです。
「いろいろな角度から考える」とは、「タテヨコナナメ十文字」に考えることです。
が、このアドバイスも、そもそもの目的意識が欠けていればから念仏に終わってしまいます。
「問題」への感度を高める
「問題意識」の感度を高めるとは、「当たり前」のこととして、「問題にしない」固定観念に流されないようにする、ということです。
そのためには,次の3つの基本スタンスから始めなくてはなりません。
①知っていることをアテハメない-「まてよ!」
現状(いまあるもの)、前提(いままでの経緯),条件(与えられた制約)を,鵜呑みにしない、そのまま当てはめない ⇒ 見えるままに見るな,知っているままに見るな
「知っている」「わかっている」「やったことがある」という思い込みが一番まずい。わかっている!と思ったら,「本当にそうか?」と振り返らなくてはならない。
②別に答はないかと問い直す-正解はひとつではない
問い方によって見え方が変わってくる-問い方が変われば正解は変わる。問いによって、分からない(知らない)ことが見えてくる、何が知らないことかが見えてくる。「答」がわかったら終わりではなく,出発点である。
別の答を探さなくてはならないのである。 人の見つけた答をなぞって何が面白いか。
③キャッチボールする-(ヒトに,モノに,コトに)問い掛けてみる
問わなければ、分からないことがある。問いかけて初めて、見えてくることがある。
現場、現物、現実に当たる、誰かに問い掛ける、キャッチボールによって,情報の幅と奥行が現れる。
3Mのポストイット開発をめぐる逸話で、シルバー氏が接着剤を開発していて貼ってもすぐ剥がれてしまうものを創り出した。彼はそれを「失敗」とはみなさず、社内の技術者に、この特性を生かした使い道を考えてくれないかと主張し、それに応じて、いつも聖歌に挟む付箋に不便を感じていたフライ氏が、その使用方法としてポストイットを発想したのである。
ここには、大事なポイントが2つある。第一は、自分から人にアイデア(考え)を問い掛けるということ。第二は、失敗作という先入観にとらわれず、何とかできないかと受けとめる「聞く耳」をもっている人がいたということ。これが,③の趣旨である。「ブレインストーミング」はまさにキャッチボールを機能させるためのルール。つまり、異見をいかに活かしていくかの仕掛けと考えるべきである。
とすれば、何も何人かが集まらなくてはできないのではなく、こちらから、「これどう思う?」と問い掛けていく姿勢があれば、電話やEメールやインターネットのチャットがそのままブレインストーミングになっていく。
「問題」を掘り下げるスキル
扇谷氏の,「煮詰めてモノをいろいろな角度から考える」で言う、多角的とは、タテヨコナナメ十文字にものが見れるかどうかということです。
その切り口は,次の4つに整理できます。
①視点(立場)を変える
いまの位置・立場そのままでなく、相手の立場、他人の視点、子供の視点、外国人の視点、過去からの視点、未来からの視点、上下前後左右、表裏等々
②見かけ(外観)を変える
見えている形・大きさ・構造のままに見ない、大きくしたり小さくしたり、分けたり合わせたり、伸ばしたり縮めたり、早くしたり遅くしたり、前後上下を変えたり等々
③意味(価値)を変える
分かっている常識・知識のままに見ない、別の意味、裏の意味、逆の価値、具体化したり抽象化したり、まとめたりわけたり、喩えたり等々
④条件(状況)を変える
「いま」「ここ」だけでのピンポイントでなく、5年後、10年後、100年後等々
ここでいう、「変えてみる」とは、それを意識してみるという意味です。
例えば、「視点を変えてみる」の、「視点を意識してみる」とは、「~と見た」とき、「いま自分は、どういう視点・立場からみたのか」と振り返ってみるということです。
そのとき、会社の立場で見たのだとすれば、それ以外の、父親として見たらどうなるか、客の立場で見たらどうなるか、………等々、別の視点にもうひとつは気づけるはずです。
その意識的な「問い直し」が、少なくとも問題意識の端緒であり、問題の感度を研ぎ澄ます出発点なのです。
こちらの記事も参考にしてみて。
「問題意識とは何?」